株式会社IMAGICA Lab. (本社:東京都品川区、代表取締役社長:志村晶、以下当社)は、一般社団法人日本ポストプロダクション協会(JPPA)が主催する第29回JPPA AWARDS 2025の一般部門において、当社エディターの執行崇斗が映像技術部門「新人賞」、ミキサーの坂田かおると望月直矢が音響技術部門「優秀賞」を受賞しました。
JPPA AWARDSは、ポストプロダクションの発展と技術向上を願い1997年に始まったコンクールで、学生部門と一般部門に分かれ、それぞれ応募作品の中から、優れた映像技術・音響技術に対し「優秀賞」「新人賞」が選出され、優秀賞に選出された作品の中から、各部門の「グランプリ」、全優秀賞の中から「経済産業大臣賞」が選出されます。
受賞者
■映像技術部門 オンライン 広告 「新人賞」受賞
『「あなたにとってポルノグラフィティとは?」25th Anniversary MUSIC VIDEO』
執行 崇斗
■音響技術部門 ミキシング TV広告 「優秀賞」受賞
『アマゾンジャパン合同会社 オーディブル』
坂田 かおる
■音響技術部門 サウンドデザイン 広告 「優秀賞」受賞
『「あなたにとってポルノグラフィティとは?」25th Anniversary MUSIC VIDEO』
望月 直矢
以下に、受賞者のコメント及び審査員の皆様からの総評を記載しておりますので、是非ご覧ください。
■映像技術部門 オンライン 広告 「新人賞」受賞
『「あなたにとってポルノグラフィティとは?」25th Anniversary MUSIC VIDEO』
執行 崇斗

(受賞者コメント)
この度、新人賞という栄えある賞を頂き、大変光栄に思います。
この映像は、アーティストとともに歩んできたファンの心の記憶を映像にした、感情のアーカイブ的な作品です。ポルノグラフィティは25年という長い期間を通して、多くのファンの心を掴んできたアーティストです。そんな偉大なアーティストの節目を記念する作品に携われたことを嬉しく思います。
「あなたにとってポルノグラフィティとは?」というメッセージのもと紡がれる本作は、主人公のこれまでの人生の各所に残る楽曲たちとの記憶の物語で構成されています。音楽は人生においてその時々の自分のエモーショナルな部分に、時に優しく、時に刺すように記憶と共存していくものだと思います。僕自身もこれまでの人生の各局面には必ず音楽がいて、それらがその時々の記憶を背負っているような感覚があり、そういった側面もこの作品を仕上げるにあたっての熱量を生み出していたと思います。その意識を持ちながら時系列に合わせた画作りにこだわり、制作陣の方々が視聴者へ伝えたい思いを表現するため精一杯向き合わせて頂きました。
これからもこの経験を糧に、作品をより良いものにできるよう精進して参ります。素晴らしい賞を頂き、誠にありがとうございました。
(審査員総評)
新人枠でもあるが、実に編集が上手い。合成もグレーディングも、オフラインでもオンラインでも賞に値する作品であった。作業内容、作業量など評価に値する。AIジェネレートの効果的な使い方も実に上手い。おめでとうございました。
■音響技術部門 ミキシング TV広告 「優秀賞」受賞
『アマゾンジャパン合同会社 オーディブル』
坂田 かおる




(受賞者コメント)
この度は高い評価をいただき、誠にありがとうございます。
本作では、現場録音・SE制作・ナレーション収録・ミキシングまで音声全般に関わらせていただきました。全4タイプのストーリーを通して、日常の楽しさをリズミカルに伝えることを大切にしました。
撮影では犬のいる現場で同録が使えないシーンも多く、重要な音を取りこぼさないよう細かく確認しながら進行しました。洗う音や餃子を包む音など、ひとつひとつに実在感と心地よさを持たせるため、EQやピッチ調整に丁寧に取り組んでいます。また犬の息遣いや小さな動きにも音を添えることで、自然な温度感と愛らしさが生まれるよう工夫しました。
ナレーションはしっかりと立たせつつも、商品であるヘッドフォンの朗読音声は徐々に存在感を薄め、視聴者がストーリーに没入できるミキシングを目指しました。
このような評価をいただけたことは、共に作品をつくりあげたスタッフの皆様のお力あってこそです。シリーズ作品でありながら、毎回監督やクリエイティブの皆様が音に対して妥協なくこだわってくださるおかげで、音の仕事をする私自身も新鮮な気持ちで楽しんで取り組むことができました。音の力で作品の世界観を支えるという仕事に、改めて喜びと責任を感じています。この経験を今後の制作にも活かし、よりよい音づくりを目指してまいります。本当にありがとうございました。
(審査員総評)
ナレーションメインの裏で色々と出し入れや聞かせなければいけない音があり、難易度高めの作品であるが、細かくSEを付け、バランスよくMIXしている。全体を通してそれぞれが適切なレベルで他を邪魔することなく処理されていて、心地よく聞ける作品であった。受賞おめでとうございます。
■音響技術部門 サウンドデザイン 広告 「優秀賞」受賞
『「あなたにとってポルノグラフィティとは?」25th Anniversary MUSIC VIDEO』
望月 直矢




(受賞者コメント)
この度は数ある作品から選んで頂き、誠にありがとうございます。受賞できたことを大変光栄に思います。本作では、オフライン作業時に監督と打ち合わせをしながら、音をどう構成していくか話し合いながら進めていきました。
通常のMAと違い、早い段階から音構成を考えられたことで、より自由にミキシングできました。リアルな現場空間をどれだけ作るか、音楽だけにして抽象的な空間にするか…何度も構成を変えながらミックスし、とてもやりがいのある時間でした。
場面毎にエフェクトを変えているので、スピーカー、イヤホン、ヘッドフォン、TVのモニターなど様々な環境で視聴し、どの媒体でも楽しめるように調整致しました。このMVを観て、懐かしく思える事。また、どの年代層にもこの名曲を知ってもらえるお手伝いが少しでもできたなら幸いです。この音作りを高く評価していただいたこと、大変嬉しく思います。
(審査員総評)
一曲の音質が変化していくことで状況が変化していくのはとても面白いデザインだと思った。またシチュエーションごとの工夫も丁寧にされていてこの世界観に引き込まれた。音楽に重きを置いた結果、途中の環境音が中途半端になってしまっているのは少し残念に感じたが、レンジの付け方など見ていて昂る感じはあったので優れた作品だと思う。ポルノグラフィティの楽曲が、シーンごとのタイミングで印象的フレーズが蓄積していく高度なミックスだった。受賞おめでとうございます。
IMAGICA Lab.は、映像制作の皆様が作品に込めた想いを汲み取り、そして、ひとり一人の技術者の創意工夫を掛け合わせながら、これからも期待を超えるクリエイティブな映像や技術をご提供してまいります。